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風がやんで外に出たら、屋根の瓦がずれていた。窓が割れていた。電気が来ていない。台風や大雨のあとは、直すことより先に決める順番があります。連絡する相手を間違えると、あとで費用が自分に返ってくることがあるからです。福岡市と糸島市の窓口を、最初にやることから順に並べました。
直す前に、まず誰に連絡するか
賃貸に住んでいるなら、先に管理会社か大家さんです。国土交通省の賃貸住宅標準契約書は第9条第1項で「甲は、乙が本物件を使用するために必要な修繕を行わなければならない」と定めていて、修繕は原則として貸主の側が行うものとされています。借主が貸主の承諾を得ずに自分の負担でできるのは、第9条第3項が指す別表第4の範囲だけです。そこに並んでいるのは、畳表の取替え、障子紙・ふすま紙の張替え、電球や蛍光灯・LED照明の取替え、ヒューズの取替え、給水栓・排水栓の取替え、その他費用が軽微な修繕。屋根や外壁、窓ガラスはここに入っていません。契約書の頭書には貸主・管理業者の欄と緊急時の連絡先の欄があるので、その番号から先に当たります。賃貸住宅標準契約書について(国土交通省)
持ち家なら、先は保険会社か代理店です。日本損害保険協会は、すまいの保険(火災保険)には、火災だけでなく風災・水災・雪災・落雷などによる損害を補償する商品があると説明しています。台風や暴風などの風災、大雪などの雪災は、損害が一定額以上に達するものであれば補償の対象とされています。洪水で家が流された損害などの水災は、損害額が一定割合以上に達するものや床上浸水による損害であれば補償の対象としている商品もある、という書き方です。地震・噴火・津波による損害は火災保険では補償されず、地震保険の側になります。同じページには、「保険金が使える」と言って住宅修理を勧誘する業者とのトラブルが起きているので、修理を業者と契約する前に契約している保険会社か代理店へ相談するように、とも書かれています。損害保険の相談先はそんぽADRセンター(03-4332-5241、月曜から金曜の9時15分から17時。祝日・休日と12月30日〜1月4日を除く)です。風水雪災等による損害を補償する損害保険(日本損害保険協会)
どちらの場合も、片付ける前に写真を撮ります。福岡市はり災証明のページで、被害を正しく判定するためにも、被災したら被害箇所の修理や片付けを始めるまえに、身の安全に気をつけて早めに写真を撮るよう案内しています。撮るのは建物の全景(周囲4面が望ましい)と、被害箇所の全景、そして被害箇所に寄った写真です。
り災証明書は区役所総務課、糸島市は危機管理課
福岡市のり災証明・り災届出証明の窓口は、被災場所を所管する区役所の総務課です。西区だけは防災・安全安心室が受け付けます。申請には本人確認書類と申請書、上に書いた写真が要ります。被害の程度が明らかに軽微で、申請者が「準半壊に至らない(一部損壊)」という判定に同意できる場合は、実地調査を行わない自己判定方式が使えて、実地調査の順番待ちをせずに済みます。実地調査が要る場合は日数がかかります。火災および雷による被害は、各区を所管する消防署へ相談する扱いです。り災証明書は、災害見舞金の支給や災害援護資金の貸付、自宅が被災したときの修理支援制度といった市の制度を使うときに求められます。「り災証明」及び「り災届出証明」(福岡市)/被災時に活用できる制度(福岡市)
糸島市は、風水害・地震等の自然災害で住家が被害を受けた場合に罹災証明書を出します。住家以外は被災証明書になり、落雷による申請は受け付けていません。窓口は市役所庁舎4階3番窓口の危機管理課で、受付は土日祝日を除く9時から16時45分まで。郵送(〒819-1192 糸島市前原西1丁目1-1 危機管理課)と電子申請も使えます。必要なのは交付申請書と被害状況の写真、任意で修繕見積書。写真は、建物内部の浸水深をメジャーで測って撮り、被害箇所は遠景と近影を各1枚、それに建物全景を撮ります。床下浸水で証拠写真があるときは現地調査を省く自己判定方式が使え、その場合の判定は一部損壊以下に限られます。世帯主以外が申請するときは委任状が要ります。電話は092-332-2110。罹災(被災)証明の申請受付(糸島市)
自分で手を出さないもの
屋根には上がりません。福岡市は台風が接近する際の注意事項で、過去に屋根の補強などの作業中に強風で転落した事例があるとして、風が強い中での屋外作業は控えるよう書いています。同じページに「風が強いときは、窓ガラスから離れてください」ともあります。割れた窓のそばに立って様子を見に行くのも、風が収まるまで待ちます。台風が接近する際の注意事項(福岡市)
電線には触れません。九州電力送配電は、切れた電線には電気が流れている可能性があり、触ると感電するおそれがあるとして、切れた電線・垂れ下がった電線・折れた電柱には絶対に近づいたり触れたりせず、最寄りの配電事業所へ連絡するよう求めています。避難するときは、スイッチの切り忘れによる火災などを防ぐため、分電盤のリミッター・ブレーカーを必ず切ってから出ます。電気を使い始めるときは、傷ついたコードや、落下・浸水した電気機器の漏電チェックを電器店で受けること、ガス漏れの可能性がある場合は引火のおそれがあるので電気を使わずガス会社へ連絡することが案内されています。切れた電線に近づいたり、触ったりしないでください(九州電力送配電)/災害時はここに注意(九州電力送配電)
停電・断水・倒木・災害ごみ、それぞれの窓口
停電は九州電力送配電です。停電情報はウェブの停電情報ページで見られるほか、停電情報自動応答サービス(0120-426-305)でも確認できます。設備の故障や切れた電線の連絡は、最寄りの配電事業所(送配電コールセンター)へ。福岡市と糸島市を受け持つのは福岡東配電事業所(0800-777-9408)、福岡配電事業所(0800-777-9409)、福岡西配電事業所(0800-777-9410)、福岡南配電事業所(0800-777-9411)の4か所です。糸島市と福岡市の城南区・西区は福岡西配電事業所の区域ですが、早良区・中央区・南区・博多区は区の中で担当が分かれているので、自分の住所がどの事業所かは一覧ページで確認します。停電情報(九州電力送配電)/福岡県(福岡地区)の配電事業所/福岡市の電気とガスの手続き
水が出ないときは、まず自宅のメーターボックス内のバルブが閉まっていないかを見ます。共同住宅は管理会社への問い合わせです。福岡市水道局は、道路から量水器(メーター)までの給水管の漏水については応急修理を行い、量水器より家屋側の漏水は個人の負担になると説明しています。連絡先は水道局保全部保全課(092-292-0265、月〜金8時45分〜17時30分)で、夜間・土日祝で緊急を要するときは営業時間外緊急電話受付センター(0120-29-0432)が受けます。糸島市は、道路からメーター手前までの給水管で自然に漏水した場合は水道課が緊急修繕工事を行い、メーター先を含む宅内側の破損の修理は糸島市指定給水装置工事事業者へ依頼するか、糸島上下水道緊急修繕センター(092-322-1313、24時間対応)へ問い合わせる案内です。夜間・土曜・日曜・祝日に緊急を要するときの連絡先もこの番号。市役所は上下水道サービスセンターが092-332-2081、水道課が092-332-2082です。漏水(水漏れ)や水が出ないときは(福岡市)/糸島上下水道緊急修繕センターのご案内(糸島市)
道路に木が倒れている、街路樹の枝が垂れているといった市道の異常は、区役所の維持管理課(博多区・中央区・西区は管理調整課)が受けます。東区092-645-1056、博多区092-419-1061、中央区092-718-1081、南区092-559-5091、城南区092-833-4077、早良区092-833-4336、西区092-895-7042。福岡市は各区役所に道路パトロール班を置いて、市が管理する道路等の破損のチェックや緊急処置等の維持補修作業を行っています。道路パトロール(福岡市)
ごみは、まず収集そのものが動いているかを確かめます。福岡市は、台風が福岡地方の暴風域に入る見込みの場合に収集の中止や時間変更を行うことがあり、燃えるごみ等はごみ出し日当日の昼12時頃、粗大ごみは収集前日の昼12時頃に、市ホームページ・ふくおかサポート・LINE公式アカウントで知らせます。全市で中止になったときは、燃えるごみは次回持ち出し日に、燃えないごみ・空きびん・ペットボトルは市が指定した振替日に出します。能古島は、持ち出し日翌日の能古航路が欠航した場合に収集を中止して翌日へ振り替える扱いです。線状降水帯などで大雨になっている場合も原則として収集は行いますが、身の危険や異常な状況を感じるときは次回の持ち出し日に回すよう案内されています。問い合わせは環境局収集管理課(092-711-4346)。壊れた家具や家電は粗大ごみの申込みになります。糸島市は、台風等により収集を中止する場合は防災無線放送・市ホームページ・SNSで知らせる扱いです。自然災害(台風など)が発生した場合の家庭ごみの収集について(福岡市)/福岡市の粗大ごみの出し方/糸島市のごみの出し方
業者を呼ぶときに確かめる4つ
ひとつめは、見積もりを紙でもらうこと。福岡市水道局は給水装置工事の事業者を選ぶときの心がけとして、複数の見積書を取ることと、工事が始まる前に工事内容・費用・アフターサービスについて十分な説明を受けることを挙げています。屋根や窓も考え方は同じで、現地を見てもらったあと、作業に入る前に金額の内訳を出してもらいます。
ふたつめは、出張費と見積もり料が別にかかるかどうか。電話の受付と、実際に現地へ来る会社が別のことがあります。ウェブで受け付けて、加盟している工事店を手配して現地へ向かわせる紹介型の窓口もあり、その場合は電話した時点で誰が来るかが決まっていません。来た会社の名前と、キャンセルするときに費用が出るかどうかを、作業が始まる前に確かめます。
みっつめは、「火災保険が使える」と持ちかけてくる相手に即答しないこと。消費者庁は2024年6月27日、「自宅を無料で点検できる」「火災保険で軒どい等の修理ができる」と電話で勧誘して訪問し、無料点検のあとに「このままだと雨漏りをしてしまう可能性が高い」などと修理が必要だと説明して、火災保険金で実質無料で修理できるとうたって契約させた事業者について、消費者安全法にもとづく注意喚起を出しています。国民生活センターも2021年9月2日に、申請サポート会社に頼らず保険金の請求は加入者自身で行うこと、請求期限が迫っているといった勧誘を安易に信じないことを呼びかけました。経年劣化による損傷と知りながら自然災害による損害であるかのようにうその理由で保険金を請求すると、保険会社から保険金の返還請求や契約の解除を受けたり、詐欺罪に問われたりすることがあるとされています。火災保険金を利用した修理工事契約に関する注意喚起(消費者庁)/保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意(国民生活センター)
よっつめは、相談先を先に控えておくこと。国民生活センターは、屋根瓦がずれていると言って点検し、このままだと瓦が飛んで近所に迷惑がかかるなどと不安をあおって契約させる点検商法について、2022年度の相談件数が過去5年で最も多く、契約当事者の8割超が60歳以上だったと2023年10月11日に発表しています。その場で決めず、複数社から見積もりを取って比べること、と案内されています。相談窓口は消費者ホットライン188、警察相談専用電話#9110、福岡市消費生活センター(092-781-0999、月〜金9時〜17時、土10時〜16時は電話相談のみ)、糸島市消費生活センター(092-332-2098、月〜金9時〜16時45分)です。屋根工事の点検商法のトラブルが増えています(国民生活センター)/ご用心 災害に便乗した悪質商法(国民生活センター)
次の台風が来る前に
福岡市が挙げているのは、風が強くなる前に庭やベランダを点検して飛散のおそれがあるものを屋内へ移すか固定すること、テレビ・ラジオなどの気象情報や避難指示等の防災情報に注意すること、そして停電や断水、店舗の閉鎖に備えて最低でも3日分の食料と飲料水、携帯トイレ、懐中電灯、携帯ラジオ、モバイルバッテリー、カセットコンロを用意しておくことです。雨や風が強まってからの外出は控え、海や川などの危険な場所には近づかないこと、とも書かれています。自宅がどの災害のリスクを抱えているかは、先にハザードマップで見ておきます。福岡市の防災情報の調べ方/糸島市の防災情報
公式情報確認:2026年9月23日(日本時間)。連絡先・制度は変更されることがあります。

