引っ越しの荷ほどきをしていて家具の傷や食器の割れに気づいたら、まず日付を数えます。国土交通省が定めた標準引越運送約款が、荷物の滅失や損傷について事業者に責任を問える期間を、荷物を引き渡した日から数えて区切っているからです。
引き渡した日から三か月
約款第二十二条は、荷物の受取から引渡しまでの間に荷物が滅失し、損傷し、または遅延したとき、事業者がそれによって生じた損害を賠償する責任を負うと定めています。荷造りと開梱もこの区間に含まれます。事業者が、自己や使用人が注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りではありません。そのうえで第二十五条が、荷物の一部の滅失または損傷についての事業者の責任は、荷物を引き渡した日から三月以内に通知を発しない限り消滅すると定めています。区切りになるのは通知を発した時点です。事業者が損害を知って引き渡した場合には、この三か月は適用されません。賠償されるのは第二十六条により、滅失または損傷によって直接生じた損害です。事業者の側も、第十五条により、荷物の全部の滅失を発見したときは遅滞なく荷送人に通知し、一部の滅失または損傷を発見したときは運送を続けたうえで遅滞なく通知することになっています。標準引越運送約款(国土交通省)
事故証明書と一年
第十七条は、荷物の滅失、損傷、遅延に関して証明の請求があったとき、荷物を引き渡した日から一年以内に限り事故証明書を発行すると定めています。滅失のときは見積書に記載した引渡日から数えます。第二十七条はさらに、荷物の引渡しがされた日から一年以内に裁判上の請求がされないときは事業者の責任が消滅するとし、損害が発生した後に限り合意で期間を延ばせるとしています。申し出の先は荷物を運んだ事業者で、見積書に記載された問い合わせ窓口の電話番号がその入口です。
相談できる窓口
国民生活センターは2026年2月4日に引越トラブルの注意喚起を公表しました。全国の消費生活センター等に寄せられた引越サービスの相談は2023年度が2,128件、2024年度が2,344件、2025年度が2,703件で、壁や家具の傷、荷物の紛失とその補償に関するものが多く、3月から4月に増える傾向があります。同センターは、引越前後の状況を記録しておくこと、事業者から渡される約款や見積書を読んで疑問点を事前に確かめることを挙げています。相談は消費者ホットライン188で最寄りの窓口につながり、福岡市では福岡市消費生活センターが月曜から金曜の9時から17時、土曜は10時から16時の電話相談を受け付けています。引越トラブルにご注意(国民生活センター)。手続きの順番は福岡市の引っ越し手続きの順番と期限にまとめています。
公式情報確認:2026年9月21日(日本時間)。制度・料金は変更されることがあります。



