広島県内の4市(広島市・福山市・呉市・東広島市)で、2026年度(令和8年度)に帯状疱疹ワクチンを定期接種として受けるときの自己負担を比べました。2025年度に予防接種法の定期接種に加わったワクチンで、対象の人は住民登録のある市の助成で受けられます。対象者、2種類のワクチンごとの負担額、期限、無料になる条件、市外の医療機関で受ける手続きの順に見ていきます。
- 対象は2026年度中に65・70・75・80・85・90・95・100歳になる人と、60〜64歳でヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害がある人です
- 自己負担は生ワクチン(1回)が2,600〜4,900円、組換えワクチン(2回)は呉市・東広島市が1回7,000円、福山市が7,800円、広島市が18,100円です
- 期限は4市とも2027年3月31日。組換えワクチンは2回目までこの日に間に合うよう、1回目を1月末までに受けます
- 市民税非課税世帯と生活保護世帯の人は4市とも無料です。呉市では両方、東広島市では非課税世帯の人が、接種の前に無料券・無料証明書を申請します
4市の自己負担を一覧で
4市とも助成の期間は2026年4月1日から2027年3月31日までで、窓口で払う額は生ワクチンが2,600〜4,900円、組換えワクチンが1回7,000〜18,100円です。使うワクチンはどちらか1種類で、接種は住んでいる市の実施医療機関で受けます。予約が要るかどうかは、受けたい医療機関に先に聞きます。期間の外での接種や、対象の年齢でない人の接種は任意接種になり、助成はありません。

| 市 | 生ワクチン(1回) | 組換え(1回・2回接種) | 非課税世帯 |
|---|---|---|---|
| 広島市 | 4,900円 | 18,100円 | 無料(当日に書類) |
| 福山市 | 3,100円 | 7,800円 | 無料(接種前に証明書) |
| 呉市 | 3,000円 | 7,000円 | 無料(事前に無料券) |
| 東広島市 | 2,600円 | 7,000円 | 無料(事前に証明書を申請) |
組換えワクチンを2回受けたときの合計は、広島市36,200円、福山市15,600円、呉市14,000円、東広島市14,000円です(広島市・東広島市は1回の金額からの編集部計算)。同じ組換えワクチンでも、広島市は他の3市の2倍を超える負担になります。
対象になるのは誰? 2026年度の生年月日
2026年度の対象は、昭和36年4月2日〜昭和37年4月1日生まれ(65歳)と、経過措置で70・75・80・85・90・95・100歳になる人です。生年月日は、70歳が昭和31年4月2日〜昭和32年4月1日、75歳が昭和26年4月2日〜昭和27年4月1日、80歳が昭和21年4月2日〜昭和22年4月1日、85歳が昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日、90歳が昭和11年4月2日〜昭和12年4月1日、95歳が昭和6年4月2日〜昭和7年4月1日、100歳が大正15年4月2日〜昭和2年4月1日の生まれです。
経過措置は2029年度(令和11年度)までの5年間で、65歳以上の人はこの間に、対象になる年度が1度だけ回ってきます。東広島市は、2025年度の機会を逃した人は5年後に定期接種として受けることはできないと案内しています。2030年度からは、接種するときに65歳の人が対象になる予定です(広島市)。
このほか、60〜64歳で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能の障害が身体障害者手帳1級相当の人も対象です。広島市では、接種の際に予防接種該当者確認書か身体障害者手帳がいります。福山市は、この対象の人で接種を希望する人に申請してもらい、個別に通知を送ります。
生ワクチンと組換えワクチン、どう違う?
2種類は回数と打ち方が違い、生ワクチンは1回の皮下注射、組換えワクチンは2か月以上あけて2回の筋肉内注射です。途中でもう一方の種類に変えることはできません。病気や治療で免疫が低下している人は、生ワクチンを受けられません。組換えワクチンは免疫の状態にかかわらず受けられ、病気や治療で免疫の機能が低下した人などは、医師が早期の接種が必要と判断すれば間隔を1か月まで縮められます(東広島市)。
2種類は回数や方法、効果とその続く期間、副反応などの特徴が違う、と呉市は説明しています。どちらにするかは、効果や自己負担の額を参考に、かかりつけの医師などに相談して決めるよう東広島市は案内しています。医療機関によって扱っているワクチンが違うので、予約のときに確かめます(福山市)。
輸血やガンマグロブリンの注射を受けた人は治療から3か月以上、大量ガンマグロブリン療法を受けた人は6か月以上あけます。組換えワクチンは筋肉内に打つため、血小板減少症や凝固障害のある人、抗凝固療法を受けている人は注意が必要です(呉市・東広島市)。接種を受けるかどうか、どちらを選ぶかは、接種する医師と相談して決めてください。
広島市は生4,900円・組換え18,100円
広島市の自己負担は生ワクチン(ビケン)1回4,900円、組換えワクチン(シングリックス)1回18,100円で、期間は2026年4月1日から2027年3月31日までです。組換えワクチンを期間内に2回終えるには、2027年1月末までに1回目を受けます。すでに一部を任意接種で受けている人は、残りを定期接種として扱います。
対象の人には5月下旬に予防接種券と予診票が送られています。持ち物は、接種券と予診票、住所・氏名・年齢が分かるもの(マイナンバーカード・運転免許証など)、自己負担金です。予約が必要な場合があるので、受けたい医療機関に先に問い合わせます。広島市内と安芸郡(府中町・海田町・熊野町・坂町)の医療機関ならそのまま受けられ、県内のほかの市町や県外で受けたいときは、事前に区の保健センターで手続きをします。
生活保護世帯と、市民税の所得割が非課税の世帯の人は、接種のときに確認書類を見せると無料になります。書類は、生活保護なら被保護者証明書(夜間・休日等受診用)、非課税世帯なら世帯全員分の市民税・県民税・森林環境税課税台帳記載事項証明書、2026年8月に届いた介護保険料納入通知書(所得段階が第1〜第3段階のもの)、適用区分に「区Ⅰ」「区Ⅱ」とある後期高齢者医療資格確認書などです。マイナ保険証の人は、医療機関のオンライン資格確認で確かめてもらえる場合があり、窓口で申し出ます。一度払った接種費用を、あとから市が返す制度はありません。
問い合わせは各区の地域支えあい課、または健康推進課保健予防係(082-504-2882)です。広島市 帯状疱疹ワクチンの定期接種
福山市は生3,100円・組換え7,800円
福山市の個人負担金は生ワクチン1回3,100円、組換えワクチン1回7,800円(2回で15,600円)で、期間は2026年4月1日から2027年3月31日までです。接種には、6月ごろに送られた案内に同封の「予防接種済証兼接種歴管理票」を医療機関に持っていく必要があります。なくしたときは、保健予防課への電話か電子申請で再発行を頼めます。
接種は福山市内の実施協力医療機関で、原則として予約がいります。市民税非課税世帯の人、生活保護を受けている人、中国残留邦人等の支援給付を受けている人は、接種の前に証明書を医療機関に見せると個人負担金が免除されます。非課税世帯の証明に使えるのは、介護保険の納入通知書(保険料段階が第1〜3段階のもの)、適用区分欄に「区1」か「区2」とある後期高齢者医療資格確認書(マイナ保険証での確認も可、医療機関に申し出る)、市民税非課税世帯の証明書(医療機関用)のどれか1つです。接種のあとに証明書を見せても免除にはなりません。
県内の他の市町で受けるときは広域予防接種券、県外なら依頼書を、接種の前に郵送か電子申請で申し込みます。発行まで10日〜2週間ほどかかります。県外ではいったん医療機関の費用を全額払い、あとで市の定める額を上限に払い戻しを受けます。長期の療養が必要な病気などで対象の年度に受けられなかった人は、その事情がなくなった日から1年間、特例で受けられる場合があり、事前の手続きがいります。問い合わせは保健予防課(084-928-1127)です。福山市高齢者帯状疱疹予防接種について
呉市は生3,000円・組換え7,000円、無料券は事前に
呉市の自己負担は生ワクチン3,000円、組換えワクチン7,000円×2回(計14,000円)で、期間は2026年4月1日から2027年3月31日までです。対象の人には6月ごろ「呉市高齢者帯状疱疹予防接種券」が送られ、協力医療機関に直接予約して、接種券を持って受けます。持ち物は接種券と健康保険証(マイナ保険証)、持っている人は健康手帳です。組換えワクチンは終わるまで2か月かかるので、1回目は1月31日までに受けるよう市は案内しています。
市民税非課税世帯と生活保護受給世帯の人は無料になりますが、接種の前に申請がいります。接種券に同封の「呉市高齢者帯状疱疹予防接種無料券」交付申請書に書き込み、届いた自己負担額3,000円・7,000円の接種券を添えて、呉市保健所の地域保健課(すこやかセンターくれ5階)へ出します。課税の状況を確かめたうえで、対象の人に無料券が送られてきます。
今までに帯状疱疹ワクチンを受けたことがある人は、接種券が届いても対象にならない場合があります。接種済証など接種歴の分かるものを持って、医師に相談します。呉市外の医療機関で受けたいときは、事前の手続きがいるので地域保健課(0823-25-3525)に問い合わせます。令和8年度呉市高齢者帯状疱疹予防接種について
東広島市は生2,600円・組換え7,000円
東広島市の自己負担は生ワクチン1回2,600円、組換えワクチン1回7,000円(2回接種)で、期間は2026年4月1日から2027年3月31日までです。対象の人には2026年3月30日に「令和8年度 高齢者帯状疱疹予防接種通知書」のはがきが送られていて、受けるときは必ず持っていきます。
市県民税の非課税世帯の人、生活保護を受けている人、中国残留邦人等支援給付を受けている人は無料です。非課税世帯の人は、事前に「無料証明書」を申請し、接種のときに医療機関で見せます。申請は電子申請(後日郵送)、医療保健課・各支所・各出張所の窓口(マイナンバーカードなど本人確認書類を持参)、郵送のどれかで、ファクスは受け付けていません。生活保護・支援給付の人は、受給者と分かるものを見せれば足ります。
広島県広域化予防接種事業の受託医療機関なら、市外でも東広島市内と同じ料金で受けられますが、接種の前に広域接種券の申請がいります。県外ではいったん全額を払い、あとで払い戻しの手続きをします。組換えワクチンを過去に1回だけ受けている人は、2回目の分だけ助成を受けられます。問い合わせは医療保健課(082-420-0936)です。東広島市 帯状疱疹・帯状疱疹ワクチンについて
広島で選ぶときの事情
4市の中で負担の差がいちばん大きいのは組換えワクチンで、2回の合計は広島市の36,200円に対し、呉市と東広島市は14,000円です。ほかにも、県内の市で手続きの違いがあります。
- 案内の届く時期が市で違います。東広島市は3月30日にはがきを送り、広島市は5月下旬、福山市と呉市は6月ごろでした。どの市も、届いた接種券や通知を持っていかないと受けられないので、なくしたら早めに市に連絡します。
- 無料になる手続きが分かれます。広島市と福山市は、介護保険料の通知書や後期高齢者医療資格確認書をそのまま医療機関で見せる形で、呉市は無料券、東広島市は無料証明書を事前に申請します。広島市は一度払った費用をあとから返す制度はないと、福山市は接種のあとで証明書を見せても免除にならないと案内しています。
- 市の外で受けるときは、県の広域予防接種の仕組みを使い、接種の前に広域接種券の手続きをします。広島市の人は、安芸郡4町の医療機関なら手続きなしで受けられます。
- 秋から冬は、4市の高齢者のインフルエンザの定期接種の時期とも重なります。市ごとの負担と期間は広島のインフルエンザ予防接種の助成の記事で比べています。
よくある質問
50代や66歳でも、市の助成を受けられますか?
広島市・福山市・東広島市は、定期接種の対象者でない人の接種は任意接種で、費用は全額自己負担になると案内しています。広島市によると、任意接種の料金は医療機関ごとに違うので、事前に問い合わせます。
帯状疱疹にかかったことがあっても受けられますか?
福山市と東広島市は、帯状疱疹にかかったことがある人も接種を受けられると案内しています。東広島市は、帯状疱疹には2度、3度かかることもあるとして、医師などに相談して考えるよう書いています。
任意接種で受けた人は、定期接種の対象になりますか?
任意接種で接種を終えている人は、原則として定期接種の対象になりませんが、医師が改めて接種が必要と認めた場合は対象として扱えます(広島市・福山市)。組換えワクチンの1回目だけ受けている人は、残りを定期接種として受けられます(広島市・東広島市)。
自分が対象になるか、どの医療機関で受けられるかは、住んでいる市の担当窓口に問い合わせてください。
公式情報確認:2026年10月6日(日本時間)。料金・営業時間は変更されることがあります。
