電気自動車を買ったあとの補助金は、「国」と「住んでいる自治体」の2段になっています。国のCEV補助金は全国共通ですが、自治体のほうは住所でまったく違います。福岡市のように今年度分が終わっているところ、糸島市のように条件付きで続いているところ、市としては出していないところが並びます。九州の県と市について、2026年9月23日時点の中身を並べました。
国のCEV補助金:額は銘柄ごとに決まっている
正式には「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」、窓口は一般社団法人次世代自動車振興センターです。令和7年度補正予算で1,100億円が措置され、受付は2026年3月31日に始まりました。対象は新車新規登録の自家用車で、中古車と事業用車両は対象外。国の他の補助金との重複申請はできませんが、応募要領には「地方公共団体による補助金制度とは重複して申請できます」と書かれています。市の補助と両方もらえる、ということです。令和7年度補正 CEV補助金(車両)のご案内
額は車種の区分ごとに一律ではなく、銘柄(車名・グレード)ごとに交付額が決まっていて、センターが一覧表で公表しています。経済産業省によれば、車両の評価に加えて、充電インフラ整備や供給の安定性の確保といった自動車メーカーの取組を総合的に評価して決めているとのこと。2026年4月1日以降に登録する車の一覧(2026年9月18日現在)では、日産サクラが58万円、三菱eKクロスEVが57万4千円、日産リーフが129万円、トヨタbZ4Xが130万円。同じ表には「2027年1月1日以降の登録」の欄もあって、リーフはそちらでは100万円になります。買う車と登録の時期の両方で変わるので、契約の前に自分の銘柄の行を見ておくのが確実です。令和7年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(経済産業省)
受付の終わりは、経済産業省が2026年9月4日に「令和8年12月上旬~下旬目処」と公表しています。申請書は到着日で先着順、予算額に達した日の前日で受付終了です。
国の申請は、登録してからの手続き
販売店が代行してくれることも多い手続きですが、期限を守る責任は申請者にあります。流れは次の順です。
- 車を決める前に、センターの「補助対象車両一覧」で銘柄ごとの交付額を確かめる。
- 新車を契約して代金を支払う(現金・振込・ローン・クレジット契約のいずれでも可。手形は不受理)。
- 新車新規登録(届出)を済ませ、電子車検証と自動車検査証記録事項を受け取る。
- 交付申請書に、本人確認書類(運転免許証・住民票・印鑑登録証明書・マイナンバーカードのいずれか)、車検証関係、注文書、領収証またはローン契約書、振込先口座が分かる書類を添えて出す。WEB申請ポータルと郵送の2通り。
- 審査のあと交付決定通知書が届き、補助金が振り込まれる。
- 登録日から4年または3年は、その車を持ち続ける。
落とし穴は、期限・名義・処分制限期間の3つ
申請書の提出期限は、登録日と支払いの状況で変わります。2026年5月1日以降に登録した車は、登録日までに支払い手続きが完了していれば新規登録日から1か月、完了していなければ翌々月末まで(いずれも消印有効。リース車両はリース契約日で判断)。納車で気が済んでしまうと、あっという間に過ぎる長さです。
名義は、申請者・車両所有者・車検証上の使用者の3つが一致していることが要件です。例外は、所有権留保付きの購入、法人購入で使用者が役員または従業員の場合、リース車両、身体障がい者等が使用する自動車に係る税の減免制度の適用を受けている場合の4つだけ。振込先の口座名義も申請者名と一致している必要があります。
処分制限期間は、登録日から4年または3年。乗用車で普通自動車・小型自動車は4年、軽自動車の自家用も4年です。この間は譲渡・交換・貸付け・廃棄などができず、やむを得ず手放すときは事前にセンターの承認を受けて補助金を返納します。返納が済むまで次の車への補助金は交付されません。
九州の県・市で、どれだけ違うか
2026年9月23日に各自治体の公式ページで確認した内容です。「なし」「事業者のみ」「離島のみ」「受付終了」も、そのまま行にしています。
| 県・市 | 個人向け | 額(公式の表記) | 受付期間・いまの状態 | 主な条件 | 公式ページ |
|---|---|---|---|---|---|
| 福岡県 | なし | - | - | 県民向けはエコファミリー応援事業など | 福岡県の地球温暖化対策 |
| 福岡市 | あり | 電気自動車 10万円(条件により5万円を加算)/燃料電池自動車 60万円 | 令和8年5月7日~令和9年3月1日の予定。個人・自治協議会分は8月10日で受付終了 | 市に住民登録、初度登録が令和8年4月1日~令和9年3月1日、PHEVは対象外 | 福岡市次世代自動車補助金 |
| 糸島市 | あり | 1台の電気自動車等に対し15万円 | 令和9年3月12日まで・先着。9月18日時点で予算1,200万円のうち残り71.9万円 | 太陽光発電設備を設置済みの住宅であること | 創エネルギーのまち・いとしま推進補助金 |
| 北九州市 | 中小企業のみ | 電動車・V2H等の導入を支援 | 令和8年5月11日~7月15日。募集終了 | 市内の事業所へ導入する中小企業等 | 北九州市3E-Action応援事業 |
| 久留米市 | なし | - | - | 市のページは国の制度を案内 | 国・県・市の補助金(久留米市) |
| 佐賀市 | あり | 5万円 | 前期5月20日~8月31日/後期9月1日~12月24日。抽選 | 市内店舗で購入した新車、同一世帯1台まで | 佐賀市ゼロカーボン推進事業費補助金 |
| 長崎市 | あり | 普通自動車 20万円/台、軽自動車 10万円/台、PHEV 10万円/台 | 令和8年7月1日~令和9年1月31日。先着、予算上限で終了 | 長崎市民で、車検証の所有者または使用者であること | 長崎市 電気自動車等購入補助金 |
| 熊本市 | あり | 10万円 | 前期は5月12日で受付終了。後期は10月19日から(65件) | 先着。同じ日の申請が件数を超えたら抽選 | 熊本市省エネルギー機器等導入推進事業補助金 |
| 大分県 | 事業者のみ | 1台当たり30万円(CEV補助金の額と低いほう) | 令和8年5月1日~令和9年2月26日。募集中 | おおいたグリーン事業者の認証が必要、商用軽EV | 大分県商用軽電気自動車導入支援事業費補助金 |
| 大分市 | 車両はなし | V2H充放電設備 一律5万円 | 令和8年5月1日~令和9年3月31日 | 市内に住宅を所有し、市税の滞納がないこと | 大分市再エネ・省エネ設備設置費補助金 |
| 宮崎県 | 車両はなし | 太陽光・蓄電池・給湯器・断熱改修・LED照明が対象 | 令和8年6月18日~12月4日 | 県内で再エネ・省エネ設備を導入する個人または法人 | ひなたゼロカーボン加速化事業補助金 |
| 鹿児島県 | 離島のみ | 1台につき20万円 | 令和8年6月17日~令和9年1月15日。先着 | 県内の離島に住所があり、使用の本拠も離島内であること | 離島における電気自動車等購入支援事業 |
| 鹿児島市 | あり | 電気自動車(普通)8万円/(小型)5万円/燃料電池自動車 10万円 | 令和8年4月15日受付開始。予算到達で8月19日に受付終了 | 市内に住所があり市税を完納、使用の本拠が市内の新車 | ゼロカーボン推進支援事業(電気自動車等)補助金 |
表に入りきらない条件
福岡市は、対象者が「福岡市に住民登録をしている者」で、個人は一人1台まで。中古車は対象外、市税に滞納があると不交付です。補助対象経費は車両本体価格で、消費税と付属品の費用は除き、値引き後の価格が対象です。令和8年度からPHEVが対象外になり、「個人」の要件も「1年以上継続して住民登録」から「住民登録をしている者」に変わりました。申請は初度登録から2か月以内か令和9年3月1日のいずれか早い日まで、メールか郵送です。
糸島市は、太陽光発電の自家消費を増やす目的の補助なので、太陽光が無い家は対象外。車は初度登録年月の末日から1年以内で、日本では初度登録となる中古の輸入車は除きます。9月18日時点の残額が71.9万円なので、15万円だと数台分です。
佐賀市は先着ではなく抽選で、市内店舗で購入した新車が対象。次世代自動車からの買い換えとリース車は外れます。長崎市は交付決定日以降に契約したものが対象で、申請してから契約する順番です。鹿児島市は申請期限が「車両登録日が属する月の翌々月末まで」、PHEVは対象に含まれません。
福岡市に住んでいる人が、いま取れる分
福岡市の補助金は、個人・自治協議会の枠4,500万円に申請が届いたため、2026年8月10日で受付が終わっています。受付期間そのものは令和9年3月1日までと書かれていますが、いま申請しても審査対象外です。
ただし、国のCEV補助金はまだ動いています。市の10万円が取れなくても、銘柄によっては国から数十万円から百万円台。登録後の期限内に出しておきたいところです。糸島市に住んでいて家に太陽光発電がある人は、市の15万円も残額しだいで間に合います。
年度と予算で変わるので、買う前に公式で
ここに並べた額も期間も、年度が替われば変わりますし、途中でも予算に達すれば止まります。実際、熊本市の前期は5月12日、福岡市は8月10日、鹿児島市は8月19日で終わりました。逆に熊本市のように後期が10月から始まるところもあります。車の契約は補助金より先に決まってしまうことが多いので、販売店と話す段階で、住んでいる市の公式ページと国の一覧表を一度ずつ開いておくと確実です。
公式情報確認:2026年9月23日(日本時間)。制度・金額は変更されることがあります。

